丁寧な編集より「撮って出す」が続く理由|一人社長が発信を継続するためのコツ

「YouTubeやブログで発信して集客しよう」という話をよく耳にします。実際、始める人は多いのですが、1年後もコンスタントに発信を続けている人はほとんどいません。

私の周りの士業の先生方を見ても、継続できている人はごくわずかです。なぜ続かないのか、どうすれば続けられるのかを、私自身が実際に感じていることをもとに書いてみます。

目次

「本格的に始めた」人ほど早く止まる

知人の士業の先生が、数年前にYouTubeチャンネルを開設しました。専門の制作会社に依頼し、照明・音声・編集までしっかり整えたクオリティの高い動画を数本公開しました。

しかし、その後の更新はありません。チャンネルを確認すると、数年前の動画が最後のままになっています。

このパターンは珍しくありません。むしろ「最初に本格的な体制を作った人」ほど、早い段階で止まってしまうことが多い印象です。

なぜ続かないのか?コストと手間と効果のバランス

動画発信を続けることが難しい理由は、大きく3つあります。

まず、制作にかかる時間と手間です。テロップ入れ、BGM・効果音の調整、サムネイル作成、概要欄の文章……動画1本を仕上げるまでに、慣れていない人では撮影時間の何倍もの編集時間がかかります。本業を抱えながらこれを毎週こなすのは、相当な意志の力が必要です。

次に、外注した場合のコストです。プロの編集者に依頼すれば、動画1本あたり数万円かかることも珍しくありません。月に数本公開すると、それだけで十数万円規模の費用になります。

そして、効果の出るまでの時間です。YouTubeやブログは、始めてすぐに集客効果が出るものではありません。数か月から1年以上かけて少しずつ積み上がっていくものです。手間とコストをかけながら、目に見える効果がなかなか出ない時期が続くと、続ける理由を見失ってしまいます。

「すでに有名な人」と同じやり方をしても意味がない

YouTubeのノウハウを調べると、「サムネイルはこう作れ」「タイトルにこのワードを入れろ」という情報がたくさん出てきます。しかしこれらの多くは、すでに一定の認知度がある人が「さらに伸ばす」ための話です。

著名な人が発信を始めれば、既存のファンが一気に流れ込んでくるため、最初の動画から反応があります。しかし、まだ認知されていない段階で同じことをしても、視聴者が来ない状態が続きます。

同じプラットフォームを使っていても、スタート地点がまったく違います。0からの発信で「著名人の成功法則」を参考にしても、モチベーションが続かないのは当然です。

それでも発信を続けている人が共通してやっていること

発信を続けている人を観察すると、共通する特徴があります。「完成度より頻度」を優先しているということです。

テロップが多少ずれていても、音質が多少悪くても、とにかく出し続ける。1本あたりの編集時間を短くして、本数を確保する。そのサイクルを回すことで、徐々に慣れていき、制作時間が短縮されていきます。

また、発信すること自体を「集客ツール」としてだけでなく、「自分の考えを整理する場」「記録として残す場」として捉えている人も多いです。再生数がゼロに近い状態でも、「書く・話す」行為自体に意味を感じているため、続けることができます。(私の場合はこっちが目的ですね)

一人社長が発信を続けるための現実的なやり方

最初から高品質な動画を量産しようとするのは、現実的ではありません。一人社長が本業を抱えながら発信を続けるなら、以下の考え方が参考になります。

編集はできる範囲で最小限にする。テロップや効果音にこだわりすぎず、まず「撮って出す」サイクルを作る。慣れてきたら少しずつ質を上げればいいのです。

プラットフォームは一つに絞る。自分が続けやすい場所を一つ選んで集中する。欲張ると全部が中途半端になります。

丁寧な編集が再生回数を増やすとは限らない

あるYouTuberの方が面白いことを言っていました。「編集にものすごく時間をかけたからといって、再生回数が伸びたかというと、結果はそうではなかった」というのです。

視聴者が気にしているのは、見た目の綺麗さよりも「誰が何を喋っているか?」という部分です。

丁寧なテロップや効果音は、すでに視聴者がいる人がさらに満足度を高めるための要素であって、ゼロから視聴者を増やすための要素ではないのかもしれません。

私が実際にやっている編集の話

私自身も最初の頃は、細かくカットを入れたり、字幕を入れたり、説明文を丁寧に書いたりしていました。しかし今はほとんど何もしていません。

撮影して、最初と最後の部分をカットし、エンディングの動画をつなげて終わりです。台本代わりに事務所のホームページ記事を見ながら話しているので、目線はカメラに向いていません。言い間違いや詰まりもしょっちゅうありますが、そのまま流しています。

編集時間をほぼゼロにすることで、撮ったらすぐ出せる状態を作っています。これが配信を続けられている一番の理由です。

また、ありのままの姿を動画にしておくと、実際に会ったときのギャップがなくなります。「動画の人だ」という感覚ではなく、「いつもの人だ」という感覚で会ってもらえるのは、むしろプラスに働いていると感じています。

続けることが、結果的に一番の差別化になる

再生回数を狙っていないのであれば、過度な編集はやめて撮ったままを出すスタイルが、結果的に長続きします。完成度を上げようとすればするほど、1本あたりの負荷が増え、続けられなくなります。

発信を始めた人のほとんどが1年以内にやめてしまいます。

逆に言えば、続けているだけで相対的に目立つ存在になれるということです。

著名でなくても、編集チームがいなくても、続けている人は少数派です。その少数派に入ることができれば、じわじわと信頼が積み上がっていきます。

ご自身の目的や状況に応じて、動画配信を無理なく続けられる形を探してみてください。

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この記事を書いた人

竹岡良晃税理士。売上アップのパーソナルトレーナー税理士。中小企業の経営問題について、傾聴力を駆使して問題解決をサポートする活動を行っている。

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