税理士事務所に仕事を依頼すると、担当者が付きます。
その担当者がどのようにして決まっているのかを知っている方は、あまりいないのではないでしょうか?
今回は税理士事務所の業界話として、担当者の配置がどのように決まっているのかについて書こうと思います。
一人事務所と中規模事務所では、対応の仕方が違う
一人税理士事務所であれば、基本的にその所長税理士がすべての顧客を自ら対応します。
一方、ある一定の規模の税理士事務所や中規模の税理士法人では、所長先生は最初の契約時の面談のみで、その後の対応は担当する税理士、あるいは税理士資格を持たない無資格の職員が行うことになります。
顧客からすると「所長先生にお願いしたはずなのに、普段来るのは別の人だった」という経験をされた方もいるかと思いますが、これは多くの中規模事務所での一般的な対応です。
理由①:規模・税額・業種によってベテランか新人かが決まる
担当者がどう決まるかについて、第一の理由は、関与先の規模・税額・業種の難易度によって判断されるということです。
規模が大きい、納税額が高い、難しい業種の処理が必要な先については、ベテランの担当者が充てられることが多いです。
事務所としての税務リスクが高くなるため、これは事務所側としてはごく自然な判断です。
逆に、規模が小さく、税額が低く、赤字であったり、処理が比較的簡単な業種については、経験の浅い担当者や、入ったばかりの職員が担当するケースが多くなります。
経験の少ない職員がそこで実務を積むという意味でも、そのような担当の割り振りになっているという事務所内の事情があります。
理由②:退職者が持っていた担当先を次の人が引き継ぐ
担当者が決まる第二の理由は、退職した職員の担当先を次の人が引き継ぐというケースです。
税理士事務所も一般の会社と同じく、採用・退職が繰り返されています。
担当先は、事務所にもよりますが、基本的には一度担当するとその職員が退職するまで担当し続けるケースが多いです。
なお、銀行のように関与先との長年の癒着を防ぐ目的で、数年に一度ローテーションで担当を変えている事務所もありますが、これはごく一部の例外的な対応かと思います。
事務所職員の退職が決まると、その職員が持っていた担当先をすべて誰かに振り分ける必要があります。
新しく入ってきた職員がいればその人に割り振ることになります。
その入ってきた職員のレベルが高いか低いかは、その出入りのタイミングによって異なります。
新人職員からベテラン職員のケース、又はベテラン職員から新人職員のケースというのは、この2つめの職員退職による担当変更の場合かと思われます。
入社する人がいない場合は、担当件数が少なかったり余裕のある経験の浅い職員に振られることも多くあります。
場合によっては、担当先をスライド調整する。ベテラン職員と新人職員の間で担当先を調整することもあります。
担当者によって経験や税務知識に大きな差がある
税理士事務所の職員は、担当者によって経験や税務知識に随分差があります。当たり外れがあるというのが実態です。
これは本来避けがたい部分ですが、顧客の立場からすると、自分の新たな担当者がどの程度の経験を持っているのかは、なかなか分からないかと思います。
自分の規模に合った事務所の選び方
こうした担当者配置の実態を踏まえると、事務所の規模の選び方についても考え方が出てきます。
ご自身の会社が比較的規模の大きい場合は、中規模の税理士法人への依頼が適当かと思います。
ただし、その場合は担当者が定期的に変わるという点は、ある程度は避けられません。
一方で、個人事業主や一人社長で、同じ担当者に長年ずっと対応してほしいということであれば、中規模の税理士法人よりも一人でやっている税理士事務所の方が向いています。
一人事務所であれば、所長先生しかいないので、基本的に担当者が変わることはありません。
年末は担当者が変わるタイミングになりやすい
税理士試験の合格発表は11月末です。税理士事務所の職員には試験の受験者が多く、合格発表後に転職するタイミングとなることが多いです。
そのため、年末にかけて税理士事務所の担当者が交代するというケースも出てきます。
この記事を書いているのは10月中旬ですので、来月以降に担当者が変わる可能性がある時期でもあることを、頭の片隅に入れておいていただければと思います。
