「国税徴収法は全暗記が必要だ」と少し前に国税徴収法の合格者たちが口を揃えて言っていました。今回は国税徴収法の勉強範囲について書きます。
国税徴収法の合格レベルは意外と高い
国税徴収法はミニ税法と言われていますが、実際には理論台数は消費税よりも多く、相続税の理論台数とあまり変わりません。しかも国税徴収法は応用理論や過去問レベルの難易度の高い問題も抑える必要があります。
国税徴収法のレベルの高い問題とはどんな問題か?というと、何が問われているのか?がよく分からない問題です。理論ベタ書きや応用柱挙げと異なり、答えがすぐに思い浮かばない問題です。
税法は他に法人税と消費税を受けましたが、どこ書くの?と悩むのは国税徴収法ぐらいではないでしょうか?(他の科目はこの辺り?と大体は検討が付きますが、国徴は問題によってはその検討すら付かないときがあります。)
私が受かった年度の最後の事例問題も、問題を読んで事例内容を整理したあと、10分は書く内容を考えたと思います。「本当にこの流れの解答で合っているのか?」は何度も確認しました。
近年の本試験では最後の大問2は大体が事例問題で、ここで受験生の差が出ます。
この最後の事例問題で合格点を取るには、理論暗記やテキスト理解は完全にできているのが大前提です。もし理論暗記やテキスト理解の精度が悪いと、この最後の事例問題で間違った流れで解答し、点数が取れないという結果になってしまいます。
国徴は他の税法よりもロジックがしっかりとしている分、暗記不足や理解不足は命取りとなります。
専門学校の教材は全て抑える
大原でいう理論テキストの解説部分(理論暗記以外の部分)も全て理解しておく必要があります。他の科目よりも解説部分は重要で、実際に解説部分から出題された問題も多いです。
近年の国税徴収法の本試験では条文の趣旨や相違点など細かい論点まで出題されます。特に改正項目については、改正された趣旨や従来と異なる取り扱いとなった部分については要注意です。
図解シリーズは余裕があれば目を通す程度見ておくといいと思います。図解シリーズはとてもよくまとめられており、実務からの解説も理解するのに役立ちます。(数少ない実務書なので、試験委員も必ず参考にしているはず。)
国徴は理論のみでスピード勝負でもないので、ミスも起きずらい試験です。成績上位者は安定して点数を取ってきます。ヤマを張っていないところが出た、あまり勉強していないとことが出た、この時点で合格圏内から外れます。正直他の部分で挽回というのが難しいです。
なぜなら、他の部分も合格圏内受験者は当然のように点数を取ってくるからです。他の箇所での挽回が難しい試験です。
弱点を作らない、当たり前のことですが、国税徴収法については特に大切だと思います。弱点を作らないためには、結局は全理論暗記+教材全範囲網羅ということになります。
特に国税徴収法を何度も受験しているがなかなか合格しない人は、どっかで手を抜いているはずです。国税徴収法は所詮ミニ税法だと思って手を抜いていませんか?
専門学校の予想出題表の出目の高いところだけ勉強していませんか?
合格するための勉強ボリュームは国税と大差ありませんよ。