先日令和5年の税理士試験の試験日などが発表されました。受験者数全体は減少傾向にあるにも関わらず、何故か国税徴収法の受験者数だけは年々増加しています。所得税法よりも国税徴収法の受験者数が多いです。
国税よりも税法免除+税法1科目で国税徴収法を選択するという受験生が増えているのではないか?ということだと思いますが、中には「他の税法よりも受かりやすそう」という安易な考えの受験生もいるようです。
確かに国税徴収法の受験生全体のレベルは、国税の受験生よりも劣るのは事実です。半分趣味で受けているご老人もいるのも事実です。
ただし、これらの方々は成績下位の方々であって、国税徴収法の成績上位受験者のレベルは決して低くないと私個人は思います。
どれくらいのレベルか?というと、私の受験時代のスペックで言えば、簿財持ち+法人税受験経験済(合格はしていないが、合格者に近いレベル)です。私の知人の国税徴収法合格者も同じようなスペックです。中には国税を含む4科目合格者もいました。
これくらいのスペックの受験生が何割くらいいるでしょうか?少なくとも2~3割はいるはずで、ほぼ間違いなく上位に入ってくる層だと思います。
私も法人税は受かっていませんが、税法はどのくらいのレベルで暗記したらいいのか?を理解したうえで国税徴収法を受験しました。
まだ会計科目を受かっていない受験生や受験1回目の受験生とは明らかにレベルが違います。
確かに国税徴収法は会計科目や他の税法の知識が無くても学習に支障は出ませんので、初年度受験でおすすめされる科目の1つです。また、国税に比べて受かりやすいイメージがあります。
ですが、国税徴収法は先ほど書いたような強者と勝負して勝たないと合格できない科目です。しかも、彼らが得意とする理論のみの科目です。理論科目は計算よりも実力の差がはっきりと出ます。
会計科目や税法科目の合格者と勝負する覚悟はありますか?
国税徴収法を受験科目として選択すること自体は私もおすすめしますが、単に受かりやすそうと安易な気持ちだけで選択することだけは避けてほしいと思います。