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令和6年度(74回)国税徴収法本試験について

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今年令和6年度の国税徴収法の本試験問題を受けた受験生の感想は「ボリュームが多く、難しかった」という声が多かったようです。最後に試験を受けてから4年が経過しており、現役受験生の感覚はほぼ無くなりつつありますが、私なりに令和6年度の本試験についての意見を書きます。現役受験生やこれから国税徴収法の受験を検討している方の何かしらのヒントになれば幸いです。

なお、書いている内容については、数年前の国税徴収法合格者(私のことです)が「合格者のレベルってこれくらい必要なのでは?」というのを勝手に書いています。ですので、実際には本番で上手いこといかんでしょ?という部分もあるとは思いますので、その点については、「まぁー合格者はこれくらいのレベルで考えてるんだなぁ」ぐらいの軽い気持ちで読んでください。

問題の振り返り

令和6年度の国税徴収法本試験問題は、ざっと以下の通りです。

第一問 問1(1)無償~第二次納税義務の趣旨 作文で十分かと (2)相続があった場合、ベタ書き

10分もあれば書けると思います。

問2(1)2種類の納税の猶予の概要と相違点 

概要と相違点なので、少しアレンジして書く必要がありますが、難易度としてはそれほど高くないと思います。15分ぐらいあれば書けると思います。

(2)第三者が占有する動産等の差押え ベタ書き

ベタ書きなので、ここで時間は使いたくないところです。15分ぐらいあればで書けると思います。

問3 配当計算 ぐるぐる+22条吸い上げ、時間少しかかるかも?40分ぐらいでしょうか?

第二問 第二次納税義務の事例問題、 ①事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 ②無償又は~第二次納税義務 ③清算人等の第二次納税義務

複数の第二次納税義務を適用する難易度の高い問題だと思いますが、個々の第二次納税義務のタイトル挙げについては、この3つ以外で悩むことはないと思います。(私は解答速報を見ながら問題を見ているので、簡単に見えているだけなのかもしれませんが)

問題資料の整理と第二次3つをあてはめで書くので、それなりに時間はかかると思います。資料整理で10分、第二次あてはめに40分、計50分ぐらいでしょうか?

時間配分について

・・・全部の時間を足すと130分・・・10分足りません。ベタ書きの部分はもう少し早く書けると思いますが、本試験という場所での解答を考えると、スピードは多少落ちますので、おそらくほどんどの受験生は全て書ききれなかったと思います。私も仮に受験生なら上記の時間配分ですので10分不足していたと思います。

通年であればこの科目は時間が余るので、ボリュームの多さに焦ってしまった受験生も多かったと思います。特に試験開始後にボリュームが多いことに気付かなかった人(問題全体を見なかった人)は、最後の事例問題をほとんど手が付けられなかったと思います。

で、本試験問題の分析をやりまくった私の個人的に考えた(であろうこと)は、以下の通りです。

「完答(問題を全て解く)のは難しいので、特に最後の事例問題は、とりあえずタイトルだけでも書いておこう」と。

ベタ書きの失点は致命的ですが、難しい事例問題は解答できなくても合否に影響が少ないです。

配当計算を飛ばす選択肢もありますが、難易度を考えると計算を白紙で出すのも危険です。

という選択肢がベストだと思います。専門学校の解答速報でも最後の事例問題は全て解答できなくても良いという趣旨のコメントが書かれていました。

第二次のタイトル3つだけなら、1分もあれば書けます。繰り返しになりますが、国徴は最後の事例が難しいです。時間不足で端折るなら、最後の事例問題しかないということです。

あらゆる出題パターンを想定しておく

少し前ですが、ボクサーの井上選手のダウンを想定した練習をしていたというコメントが話題になりました。その試合まで井上選手は一度もダウンした経験がないそうですが、それでも仮にダウンしたら?を想定して練習を積んでいたとのことです。

国税徴収法も令和5年度までは、ボリュームが少ない傾向は続いていました。数年前までは配当計算が出ない傾向もありました。が、ここ数年でその傾向が変わりつつあります。来年もボリュームが多い可能性もあります。国税徴収法=時間が余る科目、と決めつけず、時間が不足しそうなら?と予め省略パターンやタイトルだけ書く練習をしておく必要があります。

残念ながらこのような練習の解答は予備校の模試では減点されますが、本試験では必ず効果がありますので、模試の点数に一喜一憂せずに、「本試験で受かるためには?」を常に考えて勉強してください。そのためには模試をうまく活用してください。省略の練習をして全然点数が伸びなかった・・・全然問題ナシです!

7~8割は取れる問題だった

確かに今回の本試験はボリュームが多かったものの、最後の事例問題以外はそれほど難しい問題ではありませんでした。そして、最後の事例問題についても第二次納税義務の3つのタイトル挙げまでは難しくないはずです。

決して手も足も出ない超難問ではないです。大原とTACの解答速報を見ても、ボーダーが70点前後、確定が80点前後となっています。実際には多少下がると思いますが、私個人的な感覚としても、総評として「7~8割は取れるのでは?」という感覚です。

特に最後の事例問題の配点は試験問題に40点と記載されていました。傾斜配点で変わるものの、最後の事例問題にどれだけのウエイトがあるか?はこの40点という点数から作問者の意図が分かると思います。

「(全体のボリュームが多かったとしても)手を付けて欲しい」というのが伝わります。

なので、前から順番に解いて、最後の事例で全然時間が足りず、第二次納税義務のタイトル挙げすらできなかったという方は、時間配分の練習が必要です。どの税法科目も満遍なく解くのが定石です。

さて、今回の本試験問題で国税徴収法=時間が余る科目、という固定概念が崩れましたが、勉強した分だけ受かりやすくなる科目という点は変わらないと思います。というのも、理論暗記と理解がしっかりしていれば、今回のようにボリュームが多くても、最後の事例以外はほぼ書ききれると思います。しっかり勉強できている=早く解答できる、しっかり勉強できていない=早く解答できない、という図式は今後も変わらないと思います。

理論全暗記しましたか?

テキスト全理解しましたか?

過去問分析しましたか?

テキストの持ち運び重いので(大原)理サブだけを読んでいませんか?

本試験までの勉強方法が間違っていた方、本試験2時間の使い方が間違っていた方、年内の勉強をスタートする前に、必ず振り返りをしてください。何となくまた1年間勉強すると、来年も同じようなことになります。

色々と書きましたが、今回の本試験は多少ボリュームが多いものの、超難問でもないので、勉強した人は順当に受かる試験だったのでは?と私個人は思う内容でした。

最寄駅 JR藤阪駅から600M(徒歩8分)

最寄駐車場 東洋カーマックス藤阪中町駐車場190M

タイムズ王仁公園第1駐車場から450M

(東洋カーマックス藤阪中町駐車場が最も近いです。タイムズ王仁公園第1駐車場の方が空いています。)

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