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申告期限ギリギリのリスク

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年末調整シーズンに入り、各税理士事務所の職場は忙しい時期になってきました。年が明けると確定申告の業務があります。毎年「今年も確定申告の提出がギリギリだった」という話をよく聞きます。今回は申告期限のギリギリに申告することについて、何が問題なのか? ということを書こうと思います。

期限内申告ができない可能性が出てくる

少々アナログな話になりますが、申告期限間際にアクシデントが発生する可能性はゼロではありません。

例えば、今月11月30日が申告期限の会社があったとします。

極端な場合ですが、

会社の法人税の申告を申告期限前日(11月29日)や申告期限当日(11月30日)に申告しようと思ったら、パソコンが故障したり、サーバーがダウンすれば、どうしますか?

代わりのパソコンを準備したり、サーバーの保守点検を待っていれば、半日や1日はあっという間に過ぎてしまいます。

税務署の窓口で申告書用紙を貰って、最初から手書きで申告書を書きますか?

また、申告と同時に税金の納付もしなければなりません。11月29日時点で予想外の納税額となった場合、あと半日程度でまとまった資金を準備できますか? 月末は各種支払と重なります(月末は売掛金の入金もありますが、売掛金の入金が100%ある保証はありません)

税理士事務所の担当者が急病で出社できない、社長や経理担当者が体調不良で納税手続きができない(銀行へ行けない)場合はどうしますか? 

税理士事務所側は代わりの担当を探す必要がありますし、会社側も代わりに動ける者を探す必要があります。(電子納税をしている会社でも、結局電子納税手続を代わりにする者を探す必要が出てきます。)

上記に書いた例はやや極端なケースですが、この様なアクシデントが起こる可能性は決してゼロではありません。

税理士事務所のパソコンはそれなりの性能のパソコンを使っていても、定期的に故障します。

私の税理士事務所業界歴は15年ぐらいですが、パソコンは4~5回壊しています。決して乱雑に扱っている訳ではありませんが、修理へ何度も出しています。

平均すると2~3年に一回はパソコンが故障していることになります。パソコンは故障するという前提で、申告ソフトは毎日バックアップを取っています。

余裕を持って申告手続を進めていれば、これらのアクシデントが起こったとしても、何の問題もありません。しかし、申告期限ギリギリの場合は、アクシデント=期限内申告ができない という事態に陥ってしまいます。

では、期限内申告ができないという事は、一体どういうことになるのでしょうか?

青色申告の特典を受けられなくなる

個人や会社のどちらも基本的には期限内の申告=青色申告を前提として決算書や申告書を作成します。

申告期限ギリギリに申告する予定が、何らかの事情で期限内に申告できなければ、期限後申告になってしまいます。

期限後申告となれば、青色申告ができません。

青色申告以外の申告は白色申告と言われています。

白色申告となれば、青色申告の優遇規定が全て使えなくなります。

少額減価償却資産の特例(30万未満資産の全額経費)、個人の青色申告特別控除(複式簿記による記帳による所得控除)など様々な青色申告の優遇規定が適用できません。

特に欠損金の繰越控除(赤字の繰越)や欠損金の繰戻し還付(前年納付した税額の還付請求)などの税額に大きな影響を及ぼす規定が適用できなくなってしまいます。

(厳密に言うと、赤字を使う年は白色申告でも可能ですが、赤字を繰越す年は青色申告の必要があります。)

また、期限後申告(申告期限を過ぎて申告すること)を2年連続でした場合、税務署から青色申告の承認が取り消され、青色申告ができなくなります。

この様に青色申告ができなくなれば、各種優遇規定の適用を受けられなくなります。その結果として、納税額が増加することになります。

期限後申告では納税額が増える

法人税や所得税の青色申告による各種優遇規定は前のブロックで説明した通りです。

特に所得税の青色申告特別控除は55万円(電子申告の場合は65万円)の所得控除ですので、これが適用できるかどうかは大きな問題です。

そして、相続税についても、原則として期限内に申告しなければ適用できない規定の一つに、小規模宅地等の特例があります。

ここでは制度の詳細は省略しますが、一定の要件を満たす場合、宅地(建物が建っている土地など)の評価が最大80%引きになります。

20%引きではありません、80%引きです。バーゲンセールなら、破格の金額です。

複雑な手続をすれば、期限後申告でもこの小規模宅地等の特例を適用することは可能ですが、無申告加算税と延滞税が発生してしまいますので、期限内に申告を終えるのがベストです。

色々説明を書いてきましたが、どの税金も期限内申告と期限後申告では納付する税額が大きく変わってくるということです。

期限後申告をしてしまうと、余裕を持って手続をしていれば、本来納付する必要が無かった税金が発生してしまいます。

申告期限間際のギリギリに申告するということは、このように過大な税金が発生するリスクを負うということです。

ご自身で申告される場合、税理士事務所に依頼する場合のいずれにせよ、早め早めに動くぐらいで丁度よいと思います。

最寄駅 JR藤阪駅から600M(徒歩8分)

最寄駐車場 東洋カーマックス藤阪中町駐車場190M

タイムズ王仁公園第1駐車場から450M

(東洋カーマックス藤阪中町駐車場が最も近いです。タイムズ王仁公園第1駐車場の方が空いています。)

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