私が住んでいる近所の王仁公園にフットサルコートができるみたいです。詳しくは枚方市のHPの王仁公園バレーボールコートは、フットサルコートに生まれ変わります!の記事をご覧ください。
私自身もフットサルを始めたばかりで興味のある話でしたので、記事を読んでみましたが、色々と課題も多いようです。今回はこの王仁公園にフットサルコートができる話について私なりに感じたこと考えたことを書こうと思います。
結構厳しめのことを書きましたが、一人の利用見込み者としてこの事業が成功して欲しいと思っています。
そもそも採算取れるの?
私が一番気になったのは「そもそもフットサルで採算取れるの?」ということです。
野球やサッカーなどに比べるとマイナースポーツです。競技人口自体がかなり少ないと思います。
大阪市内にはフットサル会場が沢山あって、平日の昼間でも個サル(メンバー寄せ集めで試合)が開かれていますが、これは大阪市内というフットサル人口がそれなりにいるから成り立っています。
この枚方の郊外で平日昼間に個サルを開催して・・・というのは正直難しい気がします。
大阪市内のフットボーラーがわざわざ枚方のフットサルコートに来るというのは、よほどの理由がない限り来ないと思います。(逆に理由があれば来る可能性もあると思いますが。)
確かに王仁公園の周りは住宅地ですので、これからフットサルを始めようと思う方もいる可能性もありますが、果たしてその人数がどれくらい居るのか??
私自身はこの施設が完成すれば定期的に利用してみたいと思いますが、同じように思う人が数多くいるとは思えないのが現状だと思います。
Park-PFI事業と言って市から資金の提供を受けながらの運営ですが、あくまでも一部補填であり、事業の収益構造自体がしっかりとしていないと事業運営自体を継続できなくなってしまいます。
事業計画にも書かれているようですが、イベントや他機関との連携による需要掘り起こしが、今後のカギとなるのは間違いないと思います。
まずフットボール人口(レベル問わず、施設利用見込み者)を増やすところからスタートしないといけないのは、なかなかハードルが高いように思います。
フットサルコートの稼働率について
先ほども枚方という場所で平日昼間にフットサルコートの利用者がいるのか?という話を書きましたが、フットサルコートのキャパ(同時に利用できる最大人数)は決まっているので、あとはどれだけ稼働率を上げられるか?がポイントです。
予算などの関係もあると思いますが、野外コートで屋根なしなので雨の日は使えません。真夏の昼間も利用する人はほとんど居なくなると思います。このように考えていくと、1年365日のうち稼働でき日が何日あるのか?ということです。
イベントや他機関との連携をする日は一般の利用者は利用できないということになると思います。新たな需要も掘り起こしつつも、既存利用者が利用できる回数が増えるようなスケジュールを組む、難しい問題だと思います。
選定概要にも同様の意見が書かれている
色々と厳しめの意見を書きましたが、現に今回の計画について市の選定概要に同様の意見が書かれています。以下にその一部を抜粋して記載します。全文は枚方市のHP「王仁公園Park-PFI制度にかかる設置等予定者の選定結果」をご覧ください。
「申請者の財務内容や資金繰りに関しては,多少不安定で不明朗な面がある事は否めない。現場のスタッフのやりくりと賃金の低さについても気になる。資金調達の大部分が借入金であることや、収益の見通しの確実性には若干の不安が残る。計画通りの売り上げが見込めなかった場合、直ちにキャッシュフローが厳しくなると思われるため、財務内容の一層の明朗化と安定化に向け一層努力し、提案に係る事業等を誠実かつ着実に履行し、王仁公園全体の魅力向上に尽力していただきたい。他団体との連携は、提案するのは簡単であるが、実際に継続的に運用することは困難である。関係者との話し合いや調整に時間をかけて、ていねいに実施していただきたい。」
事業者の選定には税理士の先生なども参加されており、上記の通り、収益に関して客観的で冷静なコメントが書かれています。繰り返しになりますが、このPark-PFI事業は収益が上がらないと成立しない事業です。
「計画で色々と考えて実行してみたが、うまくいかず、結局全然利用者が増えない。」では困るのです。100%成功する事業は存在しませんが、その可能性を事業開始前に1%でも上げる。実際にうまくいかなかった場合にどう改善していくのか?という対策案を1つでも多く準備しておく。
資金調達の大部分が借入金と書かれているので、借入返済がスタートすれば改善に使える時間もそれほど長くないと思います。まだ施設が稼働する前ですが、施設の告知などできることはあると思います。
私自身はこの事業計画の詳細を見ていないので、どこまで詰めた内容になっているのかは知りませんが、選定に参加した税理士先生などが上記のような意見をされているということは、やはり冒頭のタイトルでも書いた通り、「そもそも採算取れるの?」の一言に尽きると思います。
もう少し経てば、利用料金や利用方法の詳細などが発表されると思いますので、今後の新たな情報が出るのを楽しみにしながら施設の完成を待ちたいと思います。