「チップはもらい物だから税金は関係ない?」その認識、かなり危険です。

最近チップを支払う飲食店が出てきました。

少し前にはXの中で、レジ清算時に募金箱のような箱にチップを支払うお店を見かけました。

私もとある飲食店でパネル画面で会計するときに、最後にチップを支払うかどうか?の画面が出てきて、

「これが噂に聞いていたけど、これが日本版チップか!」という感じで、少し驚いたことがあります。

元々海外では店員さんにチップを支払う風習がありますが、まだまだ日本では馴染みのない風習です。

このチップについては、税金の計算では少々厄介なものとなります。

今後ご自身のお店でチップ制度を取り入れたいと思われている方は、いませんか?

既にご自身のお店でチップ制度を導入しているけど、その取扱いについて、きちんと調べていなかったという方は、いませんか?

今回はお店が受け取るチップの税金の取り扱いについて、解説します。

目次

海外のチップと日本のチップとの違い

海外のチップはお店の店員に対して支払います。

これに対して、日本のチップはお店に対して支払います。

チップの受取人が異なります。

海外での店員が受け取るチップについての税金の取り扱いについては、詳しくは知りませんが、

日本のお店に支払われるのチップについては、少なくともお店にそのチップのお金が帰属するので、店員個人には帰属せず、店員に対する税金の取り扱いは関係ないということになります。

ですので、お店の収入という扱いになるのではないでしょうか?

お店に対するチップの所得税や法人税の取り扱い

お店が個人商店であれば、所得税の対象となる収入となります。

お店が会社であれば法人税の対象となる収入となります。

会計科目はどちらも「雑収入」で良いかと思います。

チップなので、お店のサービスに対する支払いではありませんので、売上科目というよりは、その他収入の雑収入が適していると考えられます。

お店に対するチップの消費税の取り扱い

消費税については、消費税法の世界に入ってくるか?課税の対象かどうか?は、 
 
4要件を満たしているか?で判定します。 

消費税法の課税の4要件とは?

  • 国内取引
  • 事業者が事業として行う
  • 対価を得て行う
  • 資産の譲渡・貸付け・役務の提供

この4つを指します。

お店がチップを受け取っても、受け取らなくてもお店の提供するサービスや商品の内容に変わりはありません。

ですので、3つめと4つめの要件を満たしておらず、お店が受け取るチップについて、消費税については課税の対象外という扱いになります。

チップとして受け取ったうちの消費税10%部分を納める必要は無いということになります。

チップ制度を導入するメリット、デメリット

お店がチップ制度を導入するメリットは、何と言ってもお店の収入が増える!ということかと思います。

一方でデメリットは、お金の管理が難しくなるということではないでしょうか?

チップとして受け取ったお金は、お店の売上とは別モノです。

お店は売上の現金の管理と、チップのお金を別々に管理する必要があります。

ただでさえ、現金商売の場合はレジ現金の管理が大変なのに、そこに加えてチップのお金の管理が追加されると、現場の店員さんの負担は更に増えることになってしまいます。

そして、何よりもチップの受け取りについての証拠資料が何も残らないという点がネックです。

チップの受け取りに対してレシートなどを発行するわけではありませんので、その日にいくらのチップを受け取ったのか?の確認ができません。

その日の営業時間の終わりに残っているチップのお金を数えたらいいのでは?

と考える方もいるかと思います。

…途中で従業員がそのチップのお金の一部をポケットに入れていたら…どうでしょうか?

チップ制度を導入することで、現金管理が圧倒的に難しくなります。

チップで年間いくらの収入になるのか?はやってみないと分からない部分もありますが、本来の売上に対する割合は微々たるものだと思います。

個人的にはメリットよりもデメリットの方が大きいのでは?と思います。

まとめ

お店が受け取ったチップの取り扱いは、

会計科目は「雑収入」、消費税は対象外取引(不課税取引)となります。

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この記事を書いた人

竹岡良晃税理士。売上アップのパーソナルトレーナー税理士。中小企業の経営問題について、傾聴力を駆使して問題解決をサポートする活動を行っている。

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