少し前にイラストデザイナーの方と面談する機会がありまして、Skeb(スケブ)というネット上でイラスト販売ができる場所があるということを教えてもらいました。
メルカリみたいな感じでしょうか?(私はメルカリをしたことがありませんが)
イラストの料金については、このSkebがイラストを買いたい人から預かって、それをイラスト納品後にデザイナーに支払う仕組みになっています。貸し倒れるリスクがゼロで安心です。
ただ、Skebのお話を聞いていると、税金の計算においては少し注意する点があるなぁと思いました。
今回はデザイナーがSkeb(スケブ)を利用する際の税金計算の注意点を説明いたします。
売上の計上時期は入金のタイミングではない
売上をどのタイミングで計上するか?は経理処理の中でも特に重要なポイントです。
税務調査でも必ずチェックされる内容です。
税金の世界では売上を計上するタイミングは、引渡した時点です。
つまり、デザイナーの方がイラスト書いて、それを依頼者に渡した時点です。
SkebのHPには、納品後に即座に振り込みされる「エクスプレス」と、最後の出金から1ヶ月が経過した際に出金する「月次」の2つから選択すると記載されています。
即座に振り込まれる「エクスプレス」の場合は、納品日と入金日が同日となります。この場合は入金日で売上計上すれば、納品日で売上計上していことになるので、税務上は問題ありません。
最後の出金から1ヶ月が経過した際に出金する「月次」を選択した場合が税務上、問題となります。
特に年末の12月末に納品、出金が1月中となる場合は、デザイナーにお金が入ってくるのは翌年1月ですが、売上を上げる時期は今年の12月ということになります。
この売上の計上のズレを「期ズレ」と言いますが、税務調査でよく問題となります。
Skebからの出金のタイミングで「月次」を選択されているデザイナーの方は注意が必要です。
天引きされる手数料は両建て処理する
デザイナー料として入金する金額から各種手数料が天引きされています。
入金額のみを売上に計上すると、手数料分が売上金額とズレます。差し引きの儲け(利益)の金額は同じですが、天引きされている手数料部分の売上の計上と、手数料の計上をしてください。
特に消費税を納めている方にとって、この天引きの手数料を正しく処理するか?どうかで消費税額が変わってきます。注意が必要です。
源泉所得税は徴収されない??
デザインの仕事なので所得税の源泉徴収の対象になるのでは?と思いましたが、どうも違うようです。
なぜ源泉徴収されていないのか?については、少し推論にはなりますが、以下のような理由だと思います。
Skebでデザインを発注する方というのは、基本的には一般消費者であり、事業者ではありません。
一般消費者であれば源泉徴収の義務はありませんので、発注者に源泉徴収義務が無ければ、源泉所得税を徴収しようがないということになります。
そもそも一般消費者は源泉納付書なんて持っていませんし、納付の方法も知りません。
最初はSkebという会社が間に入っるので、Skebが源泉徴収すべきでは?と思いましたが。
しかし、よく考えると、Skebは単にプラットフォームとして間に入っているだけであり、あくまでも取引は依頼者とデザイナーが直接取引しているという仕組みです。
Skebもまた源泉徴収をする立場でもない。ということでは?と思います。
先ほども書きましたが、この所得税の源泉徴収については、やや推測の部分があります。
ただ、デザイナーの方は源泉徴収の有無に関わらず、年間の所得や税額は最終的には同じなります。
ですので、所得税の源泉徴収については、Skebからの入金については、そこまで気にしなくてもいいのでは?と思います。(Skeb以外の会社などからのデザインの仕事については、源泉所得税が徴収されているか?の確認は必ずしてください。)
税金の未納や滞納でSkebの報酬代金を差し押さえ?
Skebの公式Xでも記載されてた内容ですが、デザイナーの方が税金を未納や滞納をしているので、役所からSkeb側に対象者の問い合わせが来ているそうです。
その後の差し押さえ手続きがどのように実施されているのか?は不明ですが、デザイナーの方が税金の納付を忘れている、納付をしていないという実情があるようです。
Skebは「適切な税務申告と納税をお願いします。」と呼びかけていることから、無申告のケースもあるのでは?と思います。
また申告はしたけど、納付の方法が分からないというデザイナーの方もいると思います。所得税と住民税と健康保険でそれぞれ納付の方法が異なります。
デザイナーの方は絵を描くのが得意だけども、経理処理や納付処理などお金に関することが苦手という方は結構多いのでは?と思います。
デザインの締め切りに追われて、すっかり確定申告を忘れていた。納付を忘れていた。というケースもあると思います。
税金の納付については、口座からの引き落とし手続きにすれば、納付忘れは防げます。
そもそも経理処理や確定申告書の作成が苦手というデザイナーの方であれば、税理士に依頼するというのが良いです。
税理士に依頼すれば、少し料金は掛かりますが、面倒な処理は全部税理士がやってくれます。その空いた時間で自分の得意なデザインの仕事をして稼いでください。