先日、とある知人から「国税徴収法でも修士論文は書けます!」とご指摘をいただきました。元の「国税徴収法で修士論文は書けるか?」の記事を読んでの意見とのことです。(私の事務所HPを見てくれていたこと自体がありがたい話です。)
ご指摘通り、私自身も国税徴収法の修士論文は決して書けないとは思っていません。ただ書くのが他のテーマに比べて難しいと思っています。
この知人は国税徴収法で修士論文を書かれたのですが、部分的に民法の話にも触れたとのことです。
どの論文テーマでも言えることですが、税法論文ではあるものの、その税法論点の前提となる取引や事象は他の法律に規定されていますので、民法などに触れる必要があります。私の論文で扱った判例の大竹貿易事件では、貿易に関する法律にも触れています。
ただその税法以外の法律に触れるボリュームは必要最小限に留める必要があります。でないと「税法」の論文になりません。あくまでも税法論文ですので、税法について部分で論じることが大切です。
今回の国税徴収法など文献数自体が少ない税法では、字数や文献数を気にして税法以外のボリュームが大きくなりがちです。
この辺りのバランスは指導教授から指摘されると思いますが、提出後に国税審議会から「税法論文に該当しない」と判定されるのが一番怖いです。
他の法律には触れるが、最低限にとどめる。あくまでも税法についての議論をすることが重要だと思います。
最後に、その知人とも話ましたが、やはり自分が書きたいと思ったテーマで書くのが一番です。国税徴収法で書きたいのなら、たとえ文献数が少なくても国税徴収法のテーマで書くのがいいです。税法論文を初めて書く修士生にはその判断が難しいですので、色々と調べたうえで指導教授に相談してください。