確定申告しなくてもよい者は、①給与年金以外の人、②給与の人、③年金の人の3パターンでそれぞれ判断します。この3パターンをごちゃ混ぜにして判断している方が非常に多いので注意が必要です。
今回は「確定申告しなくてもよい者」の3パターンについて、簡単に解説します。
(参考文献「令和5年版税務ハンドブック」、以下「税務ハンドブック」と記載)
3パターンの説明
①給与年金以外の人については、税務ハンドブックでは以下のように記載されています。
その年中の所得の合計額が、すべての所得控除額の合計額より少ない者、・・・(以下省略)
→要は納付する所得税額が無いというケースが申告しなくてもよいパターンです。
②給与の人については、税務ハンドブックでは以下のように記載されています。
・・・・給与等を一か所から受けている者で、給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の者
給与を2か所以上から受けている者で、・・・・給与等の収入金額の合計額が・・・・従たる給与等の収入金額と、給与所得及び退職所得以外の所得との合計額が20万円以下の者・・・・(以下省略)
→要は給与の人で、メインの給与以外の所得がそれほど多くない人は申告しなくてもよいという意味です。
③年金の人については、税務ハンドブックでは以下のように記載されています。
・・・・公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ公的年金に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である者(以下省略)
→これも同じく、要は公的年金の人で、年金以外の所得がそれほど多くない人は申告しなくてもよいという意味です。
特に②③で言えるのは、メイン所得以外に他の所得が少ないのであれば、申告しなくていいですよというスタンスです。なぜ申告が不要なのか?それは既に給与支給時や年金支給時に源泉徴収しているからです。
①は税額出てなかったら申告しなくていいですよということです。納税するものが無いのなら、申告しなくてもいいですよということです。
で、冒頭に書いた通り、この3パターンをごちゃ混ぜにして判断している人が非常に多いです。
たとえば、年金200万円で不動産所得が30万円の人であれば、③で判断します。この場合は雑所得以外の不動産所得が20万円以下には該当しないので、確定申告しなくてもよい者には該当せず、確定申告が必要であるということです。
間違った判断をする人は、この年金の③パターンに①を混ぜて、年金の人で税額出てなかったら申告しなくていいと考えてしまっています。(申告必要で税額ゼロの場合は、申告しても納付額がありません。結果的には申告してもしなくても、納付額が無いというのは同じですので、それなら申告しなくていいやん!と考えておられるのかもしれませんが・・・・厳密には間違っているということです。)
迷ったら申告しておけば間違いない
所得税は申告しなくてもよいが、住民税は申告が必要なケースもあります。また、申告不要でも還付を受けられるケースは申告した方が得です。株の損失繰越は申告しないと繰越できませんので、申告が必要です。
保守的に言えば、申告しとけば間違いありません。申告してはいけないわけではありませんので。
くれぐれもこの3パターンをごちゃ混ぜにしてないように注意してください。