AI-OCRというのは、画像で読み込んだ通帳などの資料から自動で仕訳を作成してくれるツールです。私が使っている日本ICSという税務ソフトでは原票会計というソフト名で販売しています。
もう1年以上は使っていますが、毎月同じような取引が続く場合、回数を重ねるごとに訂正箇所が少なくなっています。
反対に毎回の取引先が異なる場合、手書きメモが沢山ある場合などは、訂正に時間が掛かります。ただし、ある程度のボリュームの仕訳を一から手入力する場合と比べると、時間は短縮できています。
少し前から生成AIの進歩が凄まじく、このような資料画像から入力に必要なデータを作成するツールは無料で作成できる時代となりました。
私もこの生成AIの進歩を最初に試してみたときは、「会計ソフトが不要になる」と思いましたが、現在は少し違った感想です。
というのも、生成AIの分野に得意な先生は、このようなツールを自分で作成できますが、私を含めて大半の先生は生成AIを使うことはできても、開発の部分までは正直難しいと思います。(その開発の部分がプログラミングの知識なしでできるようになった現在でも、開発は難しいという印象です。)
税務以外の自分の全く知らない分野を一から勉強するというのは、莫大な時間とエネルギーを使います。そうであれば、自分の得意な税務の分野に集中して、不得意なAIの分野は他人が作ったツールを買って使えばいいのでは?と思います。
事務所のパソコンだって、大金を払って購入しています。自作のパソコンを使っている先生というのを私は今まで一度も聞いたことがありません。パソコンを購入するのとAIツールを購入するのも全く同じことでは?と思います。
もちろん生成AIに触れる、使いこなすという作業は今後避けられませんので、従来の税務処理のやり方にAIを導入していくというのは大切です。
ただ、税理士が税務で報酬を得るのと、AIで報酬を得るのとではどちらが簡単か?答えは書くまでもないですね。
限られら自分の時間と労力をどう配分するのか?このあたりの匙加減は自分で判断していかないといけませんね。