本日は２０２１年４月１日、新年度のはじまりです。私の３歳のわんぱく息子も今月から幼稚園に入園します。そして、小学校、中学校、高校に進学される学生さんの親御さんもいるかと思います。以前に担当先の関与先で大阪府の私立高校無償化制度について調べたことがありましたので、本日はその大阪府の私立高校無償化の目安年収について書こうとおもいます。
なお、以下に記載している内容については、私が個人的に計算したものであり、高校無償化を保証するものではありません。あくまでもご自身の責任で判断してください。
大阪府のホームページによると、私立高校実質無償化の年収目安は５９０万円とされています。http://www.pref.osaka.lg.jp/shigaku/shigakumushouka/shigaku_mushoka_r1.html
私立高校実質無償化の制度自体の説明などはご自身で確認してください。下の画像は大阪府のホームページに掲載されている無償化の目安についての一覧表です。
赤色で囲っている箇所の通り、無償化の対象に該当するか否かの判定は、保護者全員の「住民税の課税標準額×６％－市町村民税の調整控除の額」が１５４，５００円未満となっています。（市町村民税の調整控除の額は数千円程度なので、以下省略します。）
そして、すぐ左隣の青色で囲っている箇所の通り、その無償化の目安年収が５９０万円と記載されています。
つまり、モデル世帯年収５９０万円は、住民税課税標準額×６％が１５４，５００円になるということを表示しています。
では、実際に年収５９０万円であれば、住民税課税標準額×６％分が１５４，５００円になるか計算してみます。
おそらくこのモデルケースというのは、お父さんが会社勤めをしているというケースを想定していると思われますので、この年収というのは給与所得を指しているはずです。給与所得からは給与所得控除（給与所得者にとって経費の代わりとなるもの）を差し引いた金額が所得金額となります。
給与所得５９０万円ー給与所得控除１６２万円＝所得金額４２８万円 ①
そして、所得金額からは 各種控除金額② を差し引きます。
一方で、無償目安の「住民税課税標準額×６％分が１５４，５００円」という金額から、目安の住民税課税標準額を逆算すると、
１５４，５００円 ÷６％ ＝２５７．５万円 ③ となります。
所得金額① ー 控除金額② ＝ 住民税課税標準額③ の算式に現時点で分かっている金額を当てはめると、
所得金額４２８万円 ー 控除金額② ＝ 住民税課税標準額２５７．５万円 となります。したがって、控除金額②は１７０．５万円（４２８万円ー２５７．５万円）ということになります。
控除金額②のうち、社会保険料個人負担分８８．５万円（収入５９０万円×１５％）と扶養控除３３万円（高校進学予定の子供）、基礎控除４３万円（会社員お父さん自身）の３つは金額は確定しています。
それ以外の控除金額は６万円（１７０．５万円ー８８．５万円ー３３万円ー４３万円）ということになります。
６万円の控除金額になりそうなものと言えば、生命保険控除ぐらいでしょうか？ということで生命保険控除を６万円とします。
配偶者特別控除も考えられなくはないですが、配偶者特別控除６万円であれば、配偶者の所得金額は１３０万円（給与収入１９０．３万円～１９７万円）ということになります。
長々と計算しましたが、結論としては、無償化目安のモデルケースの家族は、「年収５９０万円の会社員のお父さん、来年高校に進学する子供、お母さんは専業主婦、生命保険を掛けている（又はお母さんの年収１９０万円ぐらいで生命保険を掛けていない）」ということになります。
ここで気になるのが、配偶者であるお母さんの収入です。現在の子育て家庭は共働きがほとんどで、フルタイムで勤務されているお母さんも多いと思います。そうすると、専業主婦若しくは母の年収１９０万円ぐらいの大阪府モデルケースでは、あまり参考とならないご家庭が相当な割合で出てくるのではないでしょうか？
また、iDeCoや小規模企業共済に加入していれは、前述の計算式の 控除金額② の金額が増えるので、無償化目安年収は５９０万円よりも高くなります。したがって、iDeCoに加入している方や小規模企業共済に加入している会社役員の方には、この目安年収５９０万円は全く当てになりません。
高校授業料無償化制度の対象となるのか、一度ご自身で計算されることを勧めます。
冒頭でも書きましたが、上記に記載している内容については、私が個人的に計算したものであり、高校無償化を保証するものではありません。あくまでもご自身の責任で判断してください。
