先日とある金融機関の方と話す機会があり、「ある税理士先生は脱税違反歴のある方は絶対に紹介しないでくれ」という要望を出しているという内容の話でした。
恐らくベテランの先生で既に顧問先の件数もそれなりに確保しているので、顧客の属性について一定の質を確保したいというところでしょうか?その先生は1度でもアウトという考えのようです。
一般の方の中には「シビアな判定をする先生だ!」と思われる方もいるかと思います。
が、我々同業者からすると、このシビアな判定も理解できるところです。
脱税の具体的な内容として、架空の経費や売上除外がありますが、これらは単なる計算ミスや税務署との認識のズレというような内容とは全く異なるからです。
架空の経費や売上除外については、「禁じ手」の扱いです。絶対に手を出したらダメなものということです。
私自身でこの件についても少し考えてみました。
関与中に脱税の話が出てきたのであれば、契約違反で即時契約破棄します。
過去の違反歴については、適正に修正申告して追加の納税が完了していのであれば、あとは人柄を見て関与するかどうか?を考えるという感じでしょうか?
ただ、過去にそのような事実があった以上、こちらも警戒するのも当然の話だと思います。
先ほど書いた他の先生の「顧客の質を保つ」という考えは私も同じです。
私自身、この業界歴は20年ぐらいになります。大体会って話をすれば、何となく人となりが分かります。会わなくても、メールやSNSの短いメッセージのやり取りでも何となく分かります。
幸いそのような方と関わって大事故になったいうことは、一度もありません。
このあたりの嗅覚というか感覚は、絶対に鈍らせたらアカンなぁと思います。
過去に脱税違反歴のある方は、税理士を探す際には警戒した目で見られます。
過去は変えられませんので、正直に話したうえで税理士に対しても誠意のある対応をしてください。(資料をきちんと出す、正直に質問に答える、適正な報酬を支払うなど。ごく当たり前の話ですが。)
