会計ベンダーとは会計ソフトを販売する会社のことです。税理士業界ではTKCや弥生会計などが有名です。最近生成AIによりこれらの会計ベンダーの販売するソフトが不要になるのでは?という声も聞かれるようになりました。
私も少し前に初めて生成AIを触ったときは、「確かに既存会計ソフトは不要になっていくのかも」と思いましたが、最近はまた少し違う考えをするようになりました。
というのも、確かに全体の流れとしてはそのような動きですが、既存の会計ソフトを触る税理士や一般客の数というはゼロにならないからです。
なぜゼロにならないのか?既存の会計ソフトを使ったほうが手っ取り早く、売上が上がり利益が出るからです。(この従来からの税理士事務所の利益構造自体が、生成AIの発達によりぶっ壊れる可能性もゼロではありませんが。)
既存の会計ベンダーから便利な会計ソフトや税務ソフトが販売されています。税理士一人あたりで換算しても月に数万円です。最も高いTKCソフトでさえ、一人あたり10万円もいかないはずです。顧問料1~2件程度の金額です。
開業当初の顧問先がない時期ならともかく、軌道に乗った事務所であれば、会計ベンダーに毎月払うこの数万円というのは、決して高くない金額だと思います。
月々数万円の出費を惜しんで生成AIの研究に膨大な時間を費やすというのは、本末転倒な気がします。
もちろん生成AIが得意な方であれば良いのかもしれませんが、得意でない方や本業の税務の方が売上を上げやすいのであれば、生成AIの分野は会計ベンダーに任せて、自分の得意な分野、本業で頑張るというのが一番だと思います。餅は餅屋です。
それこそ会計ベンダーの既製品を買う事自体を否定するのであれば、PC部品から組み立てる、外食をしない・・・・あらゆるものを材料から自分で作るのですか?時間がいくらあっても足りません。
お金を払って他人が作ったものを使うことで、自分の時間を生み出す。苦手なものは他人に任せて、自分の得意な分野に集中する、業種業態問わずこれが鉄則です。
生成AIを触ること、活用すること自体はとても良いことですが、そこに本来の本業に費やす時間や労力までも過剰に投資するのは、ちょっと違うなと考えています。
お金もですが、時間も限りある経営資源です。自分の時間の使い方、注意しないといけませんね。