最近、本屋に寄る機会が減っていましたが、読書の秋ということで、久しぶりに本屋で本を買いました。最近映画公開された『護れなかった者たちへ』を買って読んでみました。税金に携わる仕事をする者として、普段の実務を通して考えされられることを織り交ぜて感想を書こうと思います。
税金について思う事
ネタバレに関することは書きませんが、生活保護の受給について色々考えさせられました。
大学院の授業でも税金を徴収する目的の一つとして、富の再分配であると勉強しました。
生活保護の受給は、正当な理由で受給する方がいる一方で、不正受給する人も一定数存在します。生活保護支給の源泉は税金です。国や地方自治体が提供する公共サービスの資金源泉も税金です。
そして、犯罪者を収容する刑務所などを維持運営する資金源泉も税金です。
私が税理士として、仕事で関わる税金の金額は国家が年間で徴収する税額から比べると、ほんの微々たる金額です。
ですが、それぞれの納税者にとっては、自らの収入から差し引かれる税金がそれなりの負担となります。
納税は痛みを伴います、これを「痛税感」といいます。
私自身も痛税感はあります。「この税金のお金で色々買ったり、おいしいものを食べたりできたらなぁ」と考えてしまうこともあります。
ですので、顧問先の納税を誘導する際には相当気を使います。
税理士事務所の仕事で顧問先とトラブルになる原因の一つに、この納税誘導の不備があります。
色々気を使って顧問先に納めて頂いた税金が、生活保護の不正受給や極悪人の刑務所での生活費用に充てられている現状を考えてると、何とかならないのかぁと思ってしまうのが、私の正直な感想です。
訪問をしていて気付くこと
この『護れなかった者たちへ』でも書かれていますが、役所職員や刑事が色々な所を訪れて、その場所で何かに気付いているシーンが幾つかありました。
私は役所職員や刑事ではありませんが、仕事として、顧問先の会社や商店、時には顧問先の自宅を訪問した際に、色々と気付くことが沢山あります。
決して税務調査をしている訳ではないので、常に目を光らせているということはありませんが、普段見ている処理内容や書類と実際に目にしたものが異なっていれば、確認で質問することもあります。
こちらから訪問するという事は、時間も手間も掛かります。
ですが、実際に訪問することでしか見えてこない部分もあります。パソコン画面や書類だけを見ていては分からないこともあります。
コロナ禍の影響でオンライン打ち合わせが活用される機会も増えてきましたが、やはり、直接訪問する機会は大切にしていきたいと思いました。