住宅ローン返済中の自宅で事業を開業する場合、必ず事前に金融機関へ相談し、承認を受けてから用途変更(一部を店舗として使用)してください。
「自分の家なのになぜ勝手に用途変更したらダメなの?」と思われる方もおられる方もいます。ご自身の家ですが、住宅ローンの返済中というのが注意点です。
まず住宅ローンは大前提として「住むための建物や土地」に対して借入するものですので、基本的には建物は居住スペースとなります。で、ほとんどの金融機関においては「居住スペースが50%以上」という要件を設けています。要は「店舗を併設してもいいけど、半分以上は家のスペースにしてね」ということです。
なので、居住後に一部店舗として用途変更したとしても、この「居住スペースが50%以上」の要件を満たしていればOKということになります。(この辺りの取り扱いは金融機関によって異なりますので、必ず確認してください。)
この記事を書いたきっかけは、私自身の話からです。というのも私が現在戸建物件を購入する間際で、この自宅の一部用途変更した場合の取り扱いを借入をする金融機関に質問しました。(仮に今後、自宅の一部を事務所スペースに変更したとしても、変更部分は全体の10%未満です。)
金融機関からの返答は「基本的にはこの【居住スペース50%以上】の要件を満たしているので、問題ありません。また実際に用途変更をされる直前にご相談ください。」とのことでした。(これも同じく金融機関によって回答が異なりますので、必ずご自身で借りている金融機関に直接確認してください。)
借入する時点では100%居住用なので、将来一部を事務所スペースとして用途変更するという計画もあるという点を私自身がすっかり忘れていました。問題無いとのことでホッとしています。
事業用の借入をした経験がある方ならご存じだと思いますが、事業用借入の利率に比べたら、住宅ローンの利率はかなり優遇されています。そもそも事業用で35年なんて期間の借入はできません。
これを悪用して、銀行に内緒で自宅を第三者へ賃貸したりする方もいますが、その場合は契約違反で一括返済の対象となりますので、絶対にしないでください。諸事情で賃貸物件とする場合は、予め金融機関へ相談してください。「どうせバレないと思うから、内緒でやっちゃおう」は絶対にバレますから。
冒頭にも書きましたが、住宅ローン返済中というのが注意点です。たとえ自分の家であっても好き勝手にできません。抵当権も付いていますし、返済中は色々と注意が必要です。もちろん完済すれば、銀行とは関係なく用途変更は可能です。(ただしその用途変更が他の法律などにおいて問題が無いか?の確認は必要です。)