弁護士への着手金の支払はいつの経費になるのか?答えは着手金を支払った年の経費となります。
私も当初は着手金の支払は訴訟などの手続きが全て終わったときと思っていましたが、色々調べているとそうではないことが分かりました。
今回は弁護士費用の着手金について書きます。
弁護士費用の着手金の性質について
弁護士費用については、一般的には最初に着手金を支払い、紛争解決後に成功報酬を支払うというイメージだと思います。
この最初に支払う着手金について私も当初は「最後に支払う成功報酬の前払金的な性質」と思っていました。ですので、弁護士費用が経費になる(損金になる)時期は成功報酬を支払うときで、着手金の支払時点では経費にならないのでは?と思っていました。
今まで弁護士費用の着手金を処理する機会が無く、今回初めて弁護士費用の着手金を処理することとなったので、詳しく調べると私の認識が違っていました。
日本弁護士連合会のホームページに詳細が書かれています。
このページには「着手金は弁護士に事件を依頼した段階で支払うもので、事件の結果に関係なく、つまり不成功に終わっても返還されません。着手金はつぎに説明する報酬金の内金でもいわゆる手付でもありませんので注意してください。」と書かれています。
後半部分にはっきりと
内金でもいわゆる手付でもありません
と書かれています。
どうやら私たちが一般的にイメージしている代金の一部前払いの性格としての手付とは違うということです。
また、前半部分でも
事件の結果に関係なく、つまり不成功に終わっても返還されません
と書かれています。
少し難しい話になりますが、着手金を支払った時点で債務の3要件を満たしています(詳細は省略します)。要は、着手金支払時に税法上の経費(損金)としての要件を満たしています。
名目や表示だけで判断しない
今回の私自身に対しても言えることですが、会計処理について名目や表示だけで判断しないということです。
今回の弁護士費用の手付金は手付という言葉が使われていますが、私たちが一般的に使っている前払いの性格を持っていませんでした。
その他の取引についても、取引の名目と実際の中身の意味が異なっているというケースはよくあります。
単に表面上の表示や言葉だけで判断せずに、内容をしっかりと確認しないといけないと私自身が改めて思いました。