「取引先の数は少ないより多いほうがいい」というのはなぜでしょうか?取引先は多い方がいいです。
今回は取引先数について書きます。
取引先数が多いほどリスク分散ができる
取引先が多いほどリスク分散ができるという点は、多くの方が思いつくと思います。
ある取引先との取引量が減ったとしても、他の取引先との取引量を増やせばカバーできます。
取引先が少ない会社と比べて、取引先の多い会社の方が売上が急に下がるリスクを減らすことができます。
だったら、「取引先が少なくても取引量さえ減らなければいいのでは?」という意見もあると思いますが、実は取引先が少ない(特に2~3件ぐらい)場合、別の問題が発生しています。
取引先が少ないと自社に価格決定権が無くなる
価格決定権とは自社の商品や製品やサービスの料金を自由に設定できる権利です。通常はどこの会社でも持っています。本来自社の売値は自社で決めるのは当然のことです。
とろこが、取引先が2~3件しかない、極端な場合取引先が1社のみの会社はこの価格決定権がありません。
取引先が1社だけの場合、相手から値引きを要求されても他に取引先が無ければ、値引き要求を飲まざるを得ません。条件の悪い仕事でも他に取引先が無ければ受けざるを得ません。
私の師匠である松川先生も「取引先が1社だけの会社は事業ではない」と言っています。私も自社に価格決定権が無い場合は事業ではないと考えています。
価格決定権を持つには取引先を増やすしかありません。
取引先さえ沢山あれば、ある取引先から値段交渉されたとしても、「おたくに買ってもらわなくても、他に買ってくれるところは沢山ありますよ」と強気で交渉できます。値上げする場合も同じです。
大口取引先やメイン取引先の売上比率を下げる
大口取引先やメインの取引先があること自体はいいと思いますが、先ほどの話の通り、その大口やメイン取引先に頼りっきりになっている場合は危険です。
大口取引先との取引がずっと安定するとは限りません。対策としては大口取引先の売上比率を少しずつでも下げることです。
そのためには、取引先の件数を少しでも増やして、他の取引先への売上金額を上げるしかありません。
取引先件数を増やしたり売上の比率を変えるということは、そう簡単なことではありませんが、大口取引先との取引が安定している間に対策をしておく必要があります。