先日の無料税務相談会で相談を受けていると「税理士=税金に関することは何でも知っている」というイメージなんでしょうか? 挨拶をした直後に即質問が飛んでくるのは結構プレッシャーでした。中には色々話を聞いていると、どうやら即答できそうにない質問では?という相談もありました。
答えは自分で調べるしかない
私たち税理士が顧問先から受ける質問や相談事は即答できないケースが多いです。答えが一つでない相談もあります。複数の税法が絡んだ問題もあります。
時には相談者自身が何に困っているのか分かっていないケースもあります。じっくりと時間を掛けて問題点を一緒に探ることもあります。
その様な相談の場合、専門書や通達集を見たり、関連する判例などを調べます。また、所内にその分野に詳しい者がいれば相談したり、上司や所長へ相談報告したりします。他の税理士がネットで書いてある記事も参考にしたりもします。
「問題によっては即答は避けて、社内へ持ち帰れ」
この言葉は、以前に勤務していた事務所の所長からよく言われていた言葉です。
何でもかんでも社内へ持って帰ることは良くないですが、先程書いたような調べないと分からない問題は、いったん持ち帰って相談、報告するように言われていました。
カッコいい即答よりも確実に調べてからの回答を
確かに難しい問題や相談をその場でズバッと解決できるのは、カッコいいイメージがあります。顧問先からも尊敬されるかもしれません。
ですが、100%確信のない場合、いい加減な内容を答えた結果、実は間違っていたという方が問題です。
相談を受けた直後であれば、まだ訂正の説明は可能ですが、数か月後の申告期や数年後では訂正が遅すぎてクレームになるケースもあると思います。
場合によっては税務調査時に指摘を受ける場合もあると思います。
私は何でも即答できる税理士がカッコいいとは思いません。難しい相談を受けたら、じっくりと調べて確実に回答する税理士の方がカッコいいと思います。
税法は改正があると答えが180度変わるケースもあります。改正点を調べて良かったと思う事は何度もあります。
損害賠償でも要件確認を失念のケースが多いです。
ちょっとの確認ミスで何百万、何千万の税理士損害賠償請求を受けたという事故事例もあります。
確認ミス、思い込み、失念……本当に怖いです。
税金に関する質問や相談は早押しゲームではありません。きちんとした税理士なら、当日か数日後には答えが出ます。即答しないからといって、ダメな税理士と思わないでください。
ただし、レスポンスが遅く、折り返しの連絡が無いのはダメだと思います。税理士云々というより社会人としてどうなん?と思います。回答に時間が掛かるなら掛かる旨の連絡は必要だと思います。