皆さんはご自身の会社やお店の 損益分岐点 をご存じですか?
損益分岐点とは、「損(損失、赤字)と益(利益、黒字)の分岐点(境目)の売上」のことをいいます。
その金額を下回れば赤字、上回れば黒字ということになります。
ここでは、専門的な説明はしませんが、損益分岐点の計算方法について簡単に説明します。
赤字と黒字の境目ということは、
売上 ー 費用 = 0 になる状態です。
ということは、売上 = 費用 となる状態が損益分岐点です。
費用については、変動費 と 固定費 があります。
変動費とは、売上の増減に応じて金額が変動する費用(仕入代、材料費など)です。
固定費とは、売上の増減に関係なく生じる費用(家賃、給与など)です。
先程の算式に当てはめると、
売上 ー 変動費 ー 固定費 = 0 となる状態の売上の金額が損益分岐点売上です。
具体例として、次のような会社があったとします。
商品を1つ8万円で仕入れて、10万円で売る。家賃が月50万円、給与が月100万円。
8万円の商品を10万円で売るので、利益は1つあたり2万円となり、
変動費(商品8万円) ÷ 売値(10万円) = 変動費率は0.8(80%)
利益(2万円) ÷ 売値(10万円) = 利益率0.2(20%)
(正確には限界利益率といいますが、ここでは単に利益率と表示しています。)
売上 ー 変動費 ー 固定費150万円(家賃50万円、給与100万円)= 0
算式を入れ替えると、
売上 ー 変動費 = 固定費150万円 となります。
ここでは、難しい話は置いといて、この固定費150万円を0.2で割ると、
150万円 ÷ 0.2 = 750万円 が毎月の損益分岐点として計算できます。
念のため、計算すると、
売上750万円 ー 変動費600万円(750万円×変動費率0.8)ー 固定費150万円 = 0
確かに売上750万円が損益分岐点です。
固定費 ÷ 利益率 = 損益分岐点売上 です。
実際の売上金額がこの損益分岐点というハードルを
余裕をもって越えているのか? 超えてはいるがギリギリなのか?
特に、大幅に損益分岐点を下回っている月が何カ月も続く場合は、早急に事業の見直しが必要です。
給与などの固定費の増減や商品などの変動費の増減があれば、損益分岐点はその都度金額が変わりますので、定期的に損益分岐点を計算することをお勧めします。