「共有登記すれば小規模受けられるが、不動産共有の状態。単独所有の原則と矛盾している。どちらを選択するか?」と判断に悩むケースは結構多いのではないでしょうか?
今回は小規模宅地の特例と共有登記について、私が個人的に思うことを書こうと思います。
なお、小規模宅地の特例についての詳細説明は省略します。詳しく知りたい方は国税庁のホームページなどをご覧ください。
小規模宅地の特例と共有登記について
相続税の財産評価をする際に、小規模宅地の特例が適用できるかどうか?で相続税の税額が大きく変わります。ただし、居住用土地でこの小規模宅地の特例を受けるためには、共有登記が必要となるケースが多いです。
共有登記は単独名義人の鉄則と矛盾している
さて共有登記すれば、小規模宅地の特例を受けるための要件の1つをクリアするわけですが、ここでまた別の問題が生じます。
相続に関しては、財産に関しては単独名義人が鉄則です。もちろん共有名義にもメリットはありますが、基本的には財産については持ち主が1人だけが望ましいです。
共有登記により、財産取得時は血のつながった親子の共有財産が、時の経過に伴って相続などにより、孫やその配偶者へ財産が流れます。また単純に法定相続分で相続していけば、兄弟が多い家ではその財産の持ち主がどんどん増えていきます。
こうなってしまうと、多数の所有者全員の意見が一致しないと財産を処分できなくなります。血縁関係の薄い親族は他人とほぼ変わりませんので、意見が一致しずらくなります。
節税よりも家族の意思が重要
また、いくら小規模宅地の特例の適用を受けた方が税金が安くなるからと言っても、財産を取得する家族の中には共有登記をしたくない人もいると思います。
もちろん税金の支払は少ないほうがいいのですが、税金よりもご家族の意思を尊重したかたちでの財産の取得が本来あるべき姿ではないか?と私個人は思います。(所有予定者の全員が共有で所有することを了解しているのであれば、共有登記でいいと思いますが)
共有名義は親子までの関係で留めておくのがベター
個人的な感覚ですが、共有名義は親子までの関係で留めておくのがベターだと思います。
共有名義が兄弟の場合、その兄弟のどちらかが死亡し相続となったとき(例えば兄が死亡した)は、法定相続分で相続すれば兄の持分は兄の配偶者や兄の子の持分となります。弟からすれば、義理の姉や甥っ子との共有財産を所有することとなります。
親族間の関係にもよると思いますが、義理の妹や甥っ子は少し自分からは距離があるなぁという感覚ではないでしょうか?財産の処分についてお金の話をしずらい関係ではないでしょうか?
共有名義人が増える前に単独名義人へ切り替える
では上記のようなケースではどうすればいいのでしょうか?
兄弟が元気なうちに兄か弟の単独名義に切り替えるための手続きをする(適正な時価で譲渡、申告する)。又は兄死亡の相続時に代償分割などで弟が単独で財産を取得するなどの方法があります。
どのタイミングでどの方法が一番いいのかはケースバイケースですが、いずれにせよ、財産の所有者を増やさない、できれば単独所有者にするための対策は必要だと思います。
資産税(相続税や贈与税、所得税の譲渡所得)は財産取得時から財産を手放すときまで検討する必要があります。
2つめのタイトルにも書きましたが、共有登記は単独所有人の鉄則と相反していますので、目先の税額だけに囚われず、将来の財産処分時も含めた検討が必要だと思います。