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未収は回収できない

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最近は税理士事務所業務と関係ないネタばかりを書いていたので、今回は真面目な記事を書こうと思います。テーマは売掛金の未収についてです。

売掛金の未収について思うこと

売掛金の回収が遅れている話をよく聞きますが、意外と何も対処しない方が多いように思います。

特に入金期日を過ぎた相手に連絡をしていないケースをよく聞きます。

そもそも論の話ですが、売上代金の回収を翌月回収などの売掛金の回収としているのは、取引先を信用しているからです。

「あの取引先は信用できるので、来月末までには必ず代金を振り込んでくれる。」と信じている相手から、期日までに入金が無かったらどうなりますか?

未収が発生している事業者(取り立てる側)の意見として次のような意見があります。

「単に払うのを忘れてたのか、一時的に支払う余裕が無かったかもしれないので、もう少し様子を見る。」

「期日に支払ってないというだけで、すぐに催促するのは気が引ける。今後の取引にも影響するので、催促するのはもう少し後で。」

・・・・その感覚、おかしいですよ!!

期日に入金が確認できなかった時点で、すぐに催促する必要があります。

期日が土日祝の場合は翌月初日に入金というケースもありますが、それは確認すればいいだけのことです。できるだけ時間を空けないで催促するのが鉄則です。

お金のない人は声のうるさい相手から順に支払う

私の経験上、「お金のない人は声のうるさい相手から順に支払います」という法則があります。

月末に支払うべき各請求金額の全額を支払うだけの資金が無い場合、必ず声のうるさい相手=すぐに催促してくる相手から順番に支払います。

それと同時に、自社の仕入先など売上に直接関係のある取引先については、比較的支払う順番が早いです。仕入ができなくなると商売自体ができなくなるので当然です。

ですので、私たち士業事務所などへの支払は間接経費なので、仮に支払が遅延しても相手の本業には直接支障がありません。これも未収が発生しやすいケースです。

ということは、相手から見て①すぐに催促してこない②相手から見て自社への支払は間接経費 のパターンは最も支払う順番を後ろに回されるということになります。

ですから、前のブロックで書いたように、もう少し様子を見るとか催促に気が引けるなどと悠長なことを言っている場合ではないということです。

未収の全額回収には労力と時間を使う

当たり前の話ですが、未収の回収には労力と時間を使います。金額が少額でもそれなりに手間がかかりますし、金額が大きければ何度も相手とやり取りをする必要も出てきます。話す内容もシビアな話ばかりで精神的にも負担は大きいです。

ここで少し考えていただきたいのは、「この未収回収作業って、そもそも必要な作業なのか?」ということです。

もちろん未収が実際に発生している場合は必要な作業ですが、未収が発生しなければ作業しなくていいものです。

私自身も税理士法人の勤務時代にこの未収回収問題に随分と悩まされました。

未収が発生したときの私の余分な手間はざっと次の通りです。

相手先への報酬未払の連絡と個別振込誘導、所内の報酬未払発生についての報告、報酬未払についての所長幹部からのお叱り、訪問時現金回収の場合は領収書発行と回収後の入金処理

細かく書くと他にもありましたが、ざっと書いてもこれだけあります。

先ほども書きましたが、これらの作業は未収が発生しなければやらなくていい作業です。

ご自身の会社でも未収が発生すれば、経営者ご自身か経理担当者や営業担当者がこのような作業をすることになります。この作業に取られる手間と時間、めちゃくちゃ勿体ないと思いませんか?

未収をどうすれば防ぐことができるか?

では「未収をどうすれば防ぐことができるか?」

答えは書くのは簡単で「未収が発生するような相手とは取引しない」です。

書くのは簡単ですが、これが案外難しいものです。

だからと言って相手を全く見ずに取引を始める(仕事を受ける)のはとても危険です。

前金を取る、初回は現金払いのみなど色々対策はありますが、私が個人的にお勧めするのは、「相手先の社内や事務所内を見る」ということです。

私のプロフィールにも書いていますが、私自身外回りばかりやってきたので、相手先の会社に訪問すれば何となくその会社の業績や経営者の性格などは分かります。

100%ではありませんが、結構高い確率でその会社の業績が分かります。

ありきたりな話ですが、やはり「整理整頓ができている会社の業績は良く、整理整頓ができていない会社の業績は良くない」というのが私の長年の経験から言えます。

取引を始める前に、相手の会社に一度訪問することをぜひお勧めします。

一度入金が遅れ始めたら元に戻すのは難しいです。

たまに戻せるケースもあるが、ほとんどは遅れたままです。あるいは、いつの間にか相手先と連絡が取れなくなるケースもあります。未収回収に費やしていた時間を本業を伸ばすための時間に投資した方が、はるかに効率的です。

売掛金や翌月自動引き落としはお互いの信頼関係あっての話です。未収が発生するということは、その信頼関係が崩れているということです。

遅れて謝罪、支払ってくれる方はまだしも、支払ができていないことをこちら側が指摘するまで何の連絡もしてこないという方も残念ながら世の中にはいらっしゃいます。きちんと支払する側からすると理解できない相手で、全く信頼できない相手です。

皆さんはそのような信頼関係のない相手との取引を今後も継続したいですか?

おまけ 私が20万円の報酬未収を完全回収した話

最後のおまけとして、私自身が税理士事務所勤務時代に20万円の未収回収をしたときの話を書きます。

世の中の税理士事務所職員はこんな思いをして未収回収してるんだなぁと感じてもらえれば結構です。

まだ私が20代後半の頃、前任者から引き継いだ担当先に未収が残っていた状態で、私に担当が代わってから直ぐに事務所との顧問契約は解約となりました。私の担当した時期に発生した未収ではありませんでしたが、最後に担当したのが私ということで、私がその未収を回収する責任者となってしまいました。

電話で催促しても全く支払ってくれなかったので、途中からは毎回直接訪問していました。支払は振込ではなくて、必ず現金手渡しでした。どう考えても嫌がらせでしたね。めげずに足を運びました。

毎回顔を出しては、世間話をするうちに相手にも情が湧いてきたのでしょうか?そのうち少しずつ支払をしてくれるようになりました。

でも、1回で回収できるのは1万円程度で、日によっては「今日はお金がない」と言って支払ってくれない日もありました。

回収期間中は社内で常に未収が残っていると怒られました。「1万円ずつの回収では何カ月掛かるねん!早く全額回収して来い!」と・・・

また相手からは「こちらで把握している残金と違う」と言われたり、前任者以前の顧問契約時代の文句を言われたりしたこともありました。

結局全額回収するのに2年以上掛かりました。

全額回収したときに所長幹部から何かねぎらいの一言でもあれば良かったのですが、何の一言もありませんでした。(勝手に割り当てされた)担当者として回収したと言えば当然のことなのかもしれませんが、たった一言あれば、当時の私の気持ちは随分と変わっていたと思います。

そのときに強く思ったのが「こんな思いをもう二度としたくない」ということでした。そんな訳で月日が流れて自分で事務所を構える身となった現在でも、未収が発生しそうな相手とは取引しないと強く心に決めている訳です。

長々と書きましたが、このような辛い想いをこのブログを読んでいる方にはして欲しくありません・・・ということで、私の辛い勤務時代の未収回収体験談の1つ(他にも未収回収体験談はたくさんあります)を書きました。

最寄駅 JR藤阪駅から600M(徒歩8分)

最寄駐車場 東洋カーマックス藤阪中町駐車場190M

タイムズ王仁公園第1駐車場から450M

(東洋カーマックス藤阪中町駐車場が最も近いです。タイムズ王仁公園第1駐車場の方が空いています。)

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