「税理士探している」「会社の相談したい」と言われると税理士としてはついつい反応してしまいます。今回は「税理士を探している」と言われて、足元を見られた(タダでうまく利用された)話を書きます。
「ちょっと質問したい」はちょっとで終わらない
私が昨年に税理士登録をしたときに、友人知人には税理士になった旨を知らせました。
その後、たまに税金の質問や相談を受けます。簡単な一般的な質問が多いので、ざっくりとした話だけでも答えると感謝されます。
そんな中で「税理士を探している」とか「会社の経理を見てほしい」という話を持ちかけてくる人もいます。
そのような話はありがたいのですが、問題はその次の言葉なんです。
「で、ちょっと質問したいことがあるんやけど?」
この言葉が来れば、後は完全な個別相談です。しかも、まあまあ難しい問題が絡んでいたり、即答できなかったりもします。簡単に答えを断定できない相談もありました。
相手が一生懸命自分で調べてきたけど、自分だけでは分からなかったり、答えに自信が持てなくて確認したくて私に聞いてきた場合は、多少ややこしい質問や相談でも受けています。
ですが、相手から「欲しい情報だけ取りたい」「タダでうまく利用したい」というのが見えた場合には、有料の話を切り出しています。
有料というと大体返事が来なくなります。
というのも、個別案件については断片的な情報だけで結論を出すことにリスクがあります。場合によっては税理士への損害賠償責任に発展するケースもあり得ます。
私とその質問してきた相手との関係性にもよりますが、良かれと思って相談に乗った結果、思わぬ税務事件に巻き込まれる可能性もゼロではありません。
このような対応を取ることで、新規顧問先獲得の可能性を何件か自分で潰していると思いますが、私はこの対応で良いと思っています。
「税理士を探している」という言葉に惑わされて、最初はタダ働きをしていました。完全に足元を見られていた失敗の話でした。